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作家、室井佑月と『見渡すかぎりの卑怯者』作・演出:古川貴義の対談3の1

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室井 あの脚本は<人間はみんな変>っていうことなのかな?

古川 そうですね。大前提としてそのテーマがあって、<人間>って言う枠組みから外れちゃった人を精神異常者って呼んでみたり、あの人変わってるって言ってみたりしてるっていうだけで。とはいえ、その人達の中にも色んな人がいる訳で、その枠組みは一体誰が決めたんだって。みんなどっかしらではみ出たり、入ってきたり、フラフラしたりしてるじゃないですか。

室井 それは絶対あるよね。この脚本を読んで、みんなちょっとずつだけど、どこかがおかしいんだって思った。死んだ時に頭の中身をフロッピーディスクみたいにして、今まで勉強した事を子供に継がせる事ができるって話が仮にあったとするじゃないですか。そんな話があったとしたら、私は絶対に嫌だなって。勉強した事を楽に継がせられたら良いと思うけど、その他に考えてるエロい事とか、エグい事とかもバレちゃう訳で。もしそれ(フロッピーディスク)を高値で売れるって話になっても絶対に嫌だなって。

古川 自分の考えてる事が簡単に他人に見えちゃったら絶対に嫌ですね。絶対に他人には見せられない、どす黒い事も考えたりしてるわけで。PTA会長とかが「不健全図書だ!」って締め付けてエロ本を見せないようにするとか、理解できない。

室井 私は自分の小説を書く時に自分がエロい事を書いてるって認識がなくて、どっちかって言うと、今どうやって生きて行くかとか、そういうことを真面目に書いているつもりだったんだけど、何故か18禁とかになっちゃって()

古川 ()

室井 すごい不思議だ。

古川 あれは一体なんなんでしょうね。あんた達だって(エロ本を)読んだでしょっていう。

室井 いい年してエロい事を知らない人はいない。だから、そこを隠そうとするとおかしい話になるけど、じゃあって線引きしようとすると難しいことなんだなって思って。

古川「社会的に問題がある」って線引きも曖昧ですよね。

室井 でも社会の目がないと、みんな異常者になってると思うんだよね。

古川 なるほど。そうですね。社会のルールは周りの目で作られてる所があるんですよね。

室井 明日もあさっても社会の中で生きてかないといけないからね。

 

古川 室井さんの『熱帯植物園』拝読させて頂きまして。

室井 ありがとうございます。

古川 その話の中で特に印象的だったのは、おばあちゃんが火事に遭って、病院に運ばれた時に足だけ見えてて、その部分が焼けこげて黒くなっているシーン。それを病院のみんなに見られて、その間の15分だけ輝く事ができるっていう。人間はやはりどこかで輝きたいというか、そのシーンで人間自体の重みの様なものを感じたんですよね。

室井 色んな輝き方はあると思うけど、私は若い頃くすぶりつづけ、高校時代とかは爆弾を作ってそれと一緒にどっかに飛び込み込めば、それで一発で逆転できんじゃないかって思ってた。()

古川 () 結構そんな妄想とかしちゃうんですか?

室井 しますね。()

 

室井 今回のお話は精神病院がテーマじゃないですか?

古川 そうですね。

室井 脚本を書く上でいろいろな本を読んだりしたと思うんですが、是非お薦めしたい小説があるの。「老人病棟」ってタイトルだったと思うけど、10年前くらいに発売された本で、痴呆症の老人がいる病院の事を書いてるドキュメンタリーなんだけど、凄く衝撃を受けたんです。おじいちゃん、おばあちゃんが痴呆症で、目を離すとすぐに番(つが)ってるんだって。

古川 ()

室井 でも、おばあちゃんは妊娠とかしないし、どこまで放っとくかっていう。

古川 あーなるほど。

室井 人間の本能ってすごいんだなって。

古川 正しい行動かどうかは置いといて、純粋にただの欲求だけで始まっちゃうんですね。

室井 だと思う。この小説は今回の脚本にすごく通じる話かなって思ったの。

古川 是非読んでみます。

室井 多分『老人病棟』ってタイトルだったと思うけど、ハッキリと思い出せない。間違っていたらごめんなさい。でも老いていくって不思議ですよね?子供にもどっていくっていうのかな?

古川 確かに。老人は単純な物事に流れるって言いますよね。あまり考えなくなっていくんですかね。

室井 そうなのかな。でもそうなるとすごく楽になるかもね。

古川 ポンって急に怒って、三日後にはサッパリ忘れてたりしますもんね。

室井 ね。

古川 今回の本はそう言った意味では、若くて気にしちゃう人とか、昔を忘れられないまま年を取った人とか出てくるので。

室井 あの本に登場する絵描きの人の描き方がすごいリアルだなと思った。ああいった事は結構あると思う。私は書けない時は書かなきゃいいじゃんって思っちゃうんだけど。

古川 あ、そうなんですか。

室井 うん。鈴木いづみ全集っていうのが13巻くらいあって、自分も死んでから全部で13巻の全巻が出せたら嬉しい。けど、それは死んでからのことだから、本当はどうでもいいのかな?出版したら毎回評価されている人とかだと書けないって言う事で、すごく辛くなるんだろうと思うけど。書けないって事が社会と繋がれないって事になったりして。

古川 なるほどー。実は、演劇って遅いんですよね。全てが。脚本なんかも自分の同世代の友人は本番の一週間前にできたとか言ってたり。「それはマズいでしょ!」とか言ったりしつつも自分も本番の10日前に台本ができたりする事もあったり。

室井 演劇やってる人って、『ダメ』なこと自慢するよね()

古川 ()

室井 私の周りにも、演劇の人が沢山居るんですが、飲みに行ったりすると、みんなダメ自慢()

古川 僕も毎回のように「すいません、脚本の〆切今日の朝だったんですけど、夜まで伸ばして下さい」ってお願いしてひいこら台本書いてたり。

室井 そんなダメ自慢ができるのは、そんなに迷惑かけても自分は必要とされてるんだってことを言いたいのかなって思ったり。

古川 あー…。

室井 私は怒られるのが嫌だから〆切前に出すもん()

古川 完全に室井さんが正しいと思います()。寝てない自慢に近いもんがありますよね。「3徹したよー」って言うけど、それは結局そんだけ仕事があるんだぜってのを自慢したいだけというか。逆に仕事遅いって示しちゃってるのに()

室井 そういう事言う人って男の人が多いのかな。そんな人を実は私、「うわー可愛いなぁ」って思っちゃう。回りくどくて、イライラするけど。オレ結構イケてるんだぜっていうのをそのままアピールすればいいのに、できない所が可愛いの。

古川 なるほど。

室井 例えばカップルが別れた時に、女は別れた男の事をケチョンケチョンに言うけど、男は「結構いい女だったんだ」って言う人が多いかなって思ってて。それも男は<そんないい女と付き合ってたオレ>みたいな。基本、自慢というか()。そこは女とは違うなって。

古川 女の人って別れたら基本その男には連絡しないですよね。

室井 でも男はいつまでもアイツはオレの事が好きだとか思ってたりするんじゃないですか?()

古川 僕も恥ずかしながら、彼女に浮気されて、結果こっぴどく振られた時に、以前一番長く付き合ってた昔の彼女に電話をしてしまった事があって、色々と話を聞いてもらったんですよね。そしたら向こうからいきなり「実は私、不倫してんだよね・・・」って言われて。それを聞いて、「俺なにやってんだろう・・・」って気持ちになったり。

室井 私は別れた後にその男から電話が掛かってきたら、「よく電話してこれたね」って笑いながら言ったりとかしちゃう。()

古川 いやー、怖いですね。()

 

(明日の3の2に続く)


目を見る。

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精神病の役を演じている役者が役に入り込み、本当に病気になってしまった、という話を聞いたことがあります。例えばロバート・デニーロ。今回、稽古場での小休止中、ふと松田賢二の目を見てしまうことがあります。大丈夫だ。確認してしまいます。それくらい鬼気迫る演技。それは、松田だけではありません。稽古場が全身全霊で溢れています。もちろん、松田賢二は元気です、ご心配なく。

間もなく予告編がアップされます!

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予告編が完成しました!スタイリッシュで、しかも『見渡すかぎりの卑怯者』の作品のムードが充分に表現されています。ジェットラグのホームページの予告のバナーをどうぞクリックしてみてください。
そしてもちろん、お芝居は順調に仕上がって来ています。明日はスタッフレビューの通し稽古もあり、非常にわくわくしています。上の6人の役者さんが「やっぱり凄い!」ということを再確認する瞬間が訪れるはずです。

憧れ。

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松田賢二にとって若松武史の存在はまさに憧れ。これまで松田は若松の出演作のほとんどを鑑賞し、自分は若松の存在によって役者という職業を選んだ、とまで言う。今回の共演に当たって、松田は非常に喜んでいたが、製作サイドとしては一抹の不安を感じていた。それは、松田の若松へお憧れの気持ちが大きすぎることによって、松田の芝居にマイナスの影響が出る可能性だ。しかし、心配は杞憂に終わった。松田が演出の古川と偶然並んで用を足している時に、松田がぼそっと「俺、若松さんとの芝居、意外と全然緊張しないでやれてます」と言ったそうだ。
同じ舞台に立つ、共演というものは、そんなものなのかもしれない。


実際の上演芝居を観てみたい!

 resizeman_20120924235806.jpgピース又吉直樹
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作家、室井佑月と『見渡すかぎりの卑怯者』作・演出の古川貴義


すでにジェットラグホームページで紹介しているピース又吉直樹と古川貴義の対談で、
脚本を読んだ又吉直樹は「本番を観てみたい」と語っている。

さらに、次に対談した室井佑月も「ぜひ劇場で本番を観てみたい」と発言している。
(この対談の内容は間もなくこのブログにアップ)

『見渡すかぎりの卑怯者』の脚本は魅力に溢れている。
そして、演じるキャスト6人のラインナップ。
必ずや脚本以上のものを舞台上に表現する。

皆さんが、演劇作品『見渡すかぎりの卑怯者』の目撃者になってください。


古川の時間が間もなく始まる。

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ロー、セカンド、・・・とギアーを上げ、若松武史が間なくトップギアーに入っていく。その時が来たら凄いことになるはずだ。古川貴義が身を削って絞り込んだ台詞は、完全無比に再現されなければならない。精度が必要だ。なぜなら、完全無比に再現されないと古川の脚本が持つ面白さを表現しきれない。現在、全出演者が98パーセントは再現可能な状態だ。あと2%。ベテランの若松も文句一つ言わずに完全を目指す。出演者全員が仕上げ切った時、古川の本当の演出が始まる。初日まであと2週間、稽古場のお楽しみはこれからだ。バトルが始まる。

若葉竜也くんの名前。

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今回の最年少の若葉君。ちょっとやんちゃな好青年。とってもみんなに可愛がられています。若葉君の名前は「りゅうや」と読みますが、それそれが勝手に「たつや」や「たつ」と呼んでいます。最初は「りゅうやです」と訂正していましたが、みんな呼び方を変えないので最近ではもう諦めて自由に呼ばれているようです。共演者の皆さんは茶目っ気で色々呼んでいますが、みなさんはどうぞ、「りゅうや」で記憶して観劇にいらしてください。りゅうやのファンになってしまう方が沢山いらっしゃると思います。

予告編、インタビューの撮影をしました。

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本日は稽古頭で『見渡すかぎりの卑怯者』の予告編、インタビューの撮影をしました。予告編の制作は映画監督の頃安祐良さんにお願いし、とてもカッコイイものに仕上がると思いますので、どうぞ仕上がりを期待していてください。近日中にジェットラグホームページにアップします。また、役者さん全員へのインタビューには日テレ系、シュウイチのお天気キャスターでおなじみのキャスター浅賀優美さんをインタビュアーに迎え行ないました。こちらも、それぞれの役者さんの個性が見られますのでお楽しみに。同じく近日公開です。

佐藤真弓day 。

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現在佐藤真弓さん、対5人組み手中(リアルタイム稽古場より投稿)。今のお相手は若松武史さん、二人は夫婦です。佐藤さん流石、急ピッチで差を縮めています。でも若松さんの方はと言えば、もう1段スピードを上げさらに差を広げようとします。待ってはくれません。これまた流石。対松田君、対若松さんが間もなく終わり、稽古後半の三浦さん、内田さん、若葉君が満を持して待機しています。がんばれ佐藤さん。明日5人の背中を完全にキャッチしたら、稽古終わりに佐藤さんの歓迎会で盛り上がりましょう!

佐藤真弓さん、稽古に参加。

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猫のホテルの公演が昨日で終わり、待望の待望の、待ち望んでいた佐藤真弓さんが今日から稽古に参加。これでやっと6人全員揃いました。今回の座組は稽古の進み方が早いので、5人は随分前に進んでいます。佐藤さんにして大変とは思いますが、そこは佐藤さん、間もなく5人に追いつくでしょう。その為の一つとして、明日は佐藤デイ一日中佐藤さんのシーンだけをお稽古します。松田賢二、若松武史、三浦浩一、若葉竜也、内田亜希子の強者どもが代わる代わる、あの手この手で責め立てます。さあ、勝負。対5人組み手。


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